【開業者の声】VSC株式会社 ~Ⅴちゃんねるいばらき~

土浦市の開業支援補助金を活用して、実際にまちなかで営業されている方にお話を伺う「開業者の声」。

第17回目は 中心市街地活性化にスポーツを! と発信する「VSC株式会社」の 菅谷博樹様です。

■ VSC株式会社 〜Vチャンネルいばらき

菅谷博樹 様

開業:2017年1月 / 土浦市川口1丁目 ☎029-875-7255

★ 事業内容とセールスポイント

モール505の社内に設えた「サテライトスタジオ505」から、土浦市を中心とするローカルな情報をインターネットテレビで配信、毎週水曜日午後3時からは地元のゲストをお呼びするなど、市民の生の声をお届けしています。また、スポーツを盛り上げることで人もまちも活性化させることも目標のひとつ。現在、バレーボール指導の公認資格を持つ社員が『Vアカデミーバレーボールクラブ』のコーチを務め、地元チームのお子さんからママさんまで幅広い信用と好評をいただいております。さらに、長い間プロの選手として活躍してきた方々が、引退後の社会で再び実力を発揮できるような『セカンド・キャリア事業』にも取り組んでいます。

★ 土浦の中心市街地に拠点をもち気づいたことなど

知人の紹介で、つくばから土浦に移転しました。来てわかりましたが、車が必須のつくばとは違い、ここは市役所や銀行、郵便局、飲食店等に歩いていけます。駅近で静かで、事務所としては快適。しかしながら、駅から歩いてくると押し戻されるような厚い壁を感じるのも事実です。外からの人がまちに溶け込めない。まちが人を寄せ付けない。理由のひとつには、土浦市自体のPR不足、受け入れ体制の未熟さがあると考えられます。市報など紙媒体の情報はスピード感に劣り、たとえ配っても見ない、見ても破棄されがちですが、ネット配信されたものはアーカイブとして保存され活用されます。動画なら尚のこと、人々の記憶に働きかけます。もはや、情報は待つ時代ではなく、積極的に発信し、自主的に受信するもの。求められるのは「工夫」と「進化」です。

土浦市の人口は統計予測より早く減少しています。駅前に市役所や図書館が来て活気づいてきましたが、駅から離れた商店等の推移が今度の課題だと思います。市内だけで盛り上がるイベントばかりでなく、県外から土浦へ人を呼び込む材料を考え、動線をつくるべきでしょう。土浦には魅力が「ない」のではなく、人々が「知らない」のです。

出身は県外ですが、土浦には父の実家があるので、かつてのまちの様子もよく憶えています。賑やかでしたね。昔の面影を追うわけではありませんが、往時を知っているからこそ、このまちを活性化させたいという気持ちも強い。自分たちの手で良い老後をつくりあげ、一生住むつもりです。

★ これからのこと、開業する方にひとこと

補助金制度は、スタートラインの道具として大いに活用すべきです。月ごとにいただければ一番良いのですが、資金をもとに、どう仕掛けて、どのように事業展開していくのかがポイントです。残念ながら、制度自体を知らない人がほとんどではないでしょうか。また、事業内容などに配慮して考えられた制度とも言いにくい。事業主が活用しやすいような内容にしていかなければ、現状維持のために無理を重ねる経営が続き、結局、誰も得をしない結果が待ちかねているかもしれません。どのような立場においても必要なのは、「工夫」と「進化」です。