空き店舗を活用して、まちづくりの種を蒔き、育てる

中心市街地における空き店舗の解消を目的に、ホームページ「土浦繁盛記」で開業支援情報を提供して13年になる。

これまで不動産業者さんと連携してまちなかの貸店舗情報を提供するとともに、開業支援補助制度の情報や、駅周辺の開発動向やまちづくりの動きについても扱ってきた。

一方で、情報提供だけでなく実践的なアプローチとして、「空き店舗活用賑わい創出実験 -土浦繁盛記プロジェクト」のような取り組みも行ってきた。これは中心市街地での開業促進策として、空き店舗のある商店街と会議所、そして不動産業者が連携して実施したもので、イベントに合わせて商店街にある複数の空き店舗を開け具体的に活用してみる実験企画である。この企画を通じて空き店舗の存在と条件をPRし、空き店舗を活用して商店街と一体となった賑わい創出の効果と可能性を探ってきた。

※土浦繁盛記プロジェクトパンフレット

このような取り組みから見えたことは、まちなかを魅力的にし、賑わい創出を図っていく手立てのひとつとして、小規模ながらまちなかに分散して存在する空き店舗を有効に活用していくことがポイントである。つまり通常の不動産業者さんが扱う形での空き店舗の解消だけでなく、空き店舗を活用した多様な主体によるまちづくりとしての取り組みが必要である。その場合、方向性と地域ストーリーを組み立てた中で空き店舗を活用することが大切である。

このようなことから、空き店舗対策や活用にかかわる、貸店舗をお持ちの家主さんをはじめ商店街の方、不動産会社の方、出店者の方の連携はもちろんのこと、普段、まちなかを利用している市民活動の方々とのつながりが大切である。まちなかは地域住民の方々はもちろんのこと、市民をはじめお勤めの方、買い物・通院で利用するなど、多くの方々が関わっている場所である。

以上のことから商工会議所としても、ホームページ「土浦繁盛記」での開業支援情報提供だけでなく、実践的なアプローチについても今後模索していきたい。

例えば、これまでも取り組んできた商店街と連携した「空き店舗活用賑わい創出実験企画」や、イベントに合わせた空き店舗利用とPR、空き店舗見学ツアー、商店街と連携したレンタル方式のチャレンジスペース運営などを検討していきたい。

今後の参考に、任意のまちづくり団体が、レンタル方式のチャレンジスペースの運営として、イベントや日常での空き店舗の活用試行を行っているので、事例として示す。

※土浦界隈まちづくり研究会パンフレット