【開業者の声】ストリート・ダンス・スタジオBLAZE(第2スタジオ)/Dr.関塾(土浦駅前校)

土浦市の開業支援補助金を活用して、実際にまちなかで営業されている方にお話を伺う「開業者の声」。

第15回目は、若者たちの「情熱」「思いやり」「夢見る力」を育てたいと、フレキシブルな発想で仕事に取り組む、ストリート・ダンス・スタジオBLAZE(第2スタジオ)とDr.関塾(土浦駅前校)の後藤保雄様です。

■ ストリート・ダンス・スタジオBLAZE(第2スタジオ)/Dr.関塾(土浦駅前校) 後藤保雄 様

開業:2016年5月(BLAZE)/同9月(関塾)

土浦市港町1丁目 ☎029-886-9617(BLAZE) ☎029-835-1119(関塾)

 

★ 事業内容とセールスポイント

もともと真鍋で16年間、美容室とネイルサロンを経営していますが、中学校の必須科目になり需要の増えたストリート・ダンスのスタジオも5年前から併設しています。様々な種類のダンス指導を行うなかで、人気の高いヒップホップ系のジャンルを増やすため、昨年、新たに2号店を持ちました。初心者向けや趣味のダンスのほか、実績のある著名な講師陣による本格的なプロへの道も用意しています。また、同じビルの中に、小・中・高校生対象の完全個別指導の塾も開きました。ここでは「人から人への教育」を理念に、人格や生活も重視した教育を目指しています。それぞれの講師が「できるまで、わかるまで」をモットーに、丁寧に、とことん指導します。また、ダンス・スタジオと連携して、気分転換や運動不足解消なども行っています。

ストリート・ダンス・スタジオBLAZE(第2スタジオ)

 

★ 土浦の中心市街地に拠点をもち気づいたことなど

現在の場所にスタジオと塾を開いた大きな理由は、駅近でフロアが広いこと。都内から来る講師陣も多く、交通の利便性は必須条件でした。また、人通りの多さも見込んでいましたが、こちらは外れ。生徒のほとんどは、駅前だから来たというのではなく、紹介や口コミでの方たちです。これが土浦の現状なのかもしれません。

私は県西の出身ですが、かつての土浦は憧れのまちでした。現在、その面影は薄く、賑わいもありません。しかしながら、本来は魅力あるまちだという思いは変わっていません。霞ヶ浦、常磐線、モール505、駅前市役所、図書館、そして郊外には広大な田畑。何より、長く培われてきた伝統があります。それを活かしきれていない。実にもったいないですね。伝統は守るだけではなく、新しい風を取り入れていくことも必要なのではないでしょうか。それには、代々住んできた方々の意識改革が欠かせない。新しく来た人が新しい意識を促すのは、思いのほか難しいものです。私は、若い頃から遊びに来ていた土浦への恩返しも込め、ここで家庭を持ち、家族を増やし、家を建て、仕事をしています。土浦は、いろいろな組織や職種の垣根を取り払って連携していけば、もっと住みやすいまちになると思いますよ。今は何でも、流れがつくばや都内に向いていますが、それこそが土浦のチャンスです。人と人とのつき合いで商売を続けてきたからこそ、お客様は簡単に他所には流れないという自信を持っていいと思います。

Dr.関塾(土浦駅前校)

 

★ これからのこと、開業する方にひとこと

若い世代は経済的に余裕がなく、かといって労働の場所にも限りがあります。私も昔、最初の開店資金の調達には頭を抱えました。実績がなければ、どんなに頭を下げてもどこもお金を貸してくれません。その悔しさは忘れないものです。そこで、若者たちに働く場所(ハコモノ)を提供し、同時に責任も預ける。私の場合、基礎固めをした店舗に軍資金を出し、時には顧客リストも渡し、期限を区切って信用貸しすることを実施していますが、これはお互いに一石二鳥の循環だと考えています。彼らには労働意欲が湧き、かつ収入も入る。誰であれ、商売をする上では資金が欠かせません。そんな時、土浦市の補助金制度は、まさにありがたいシステムです。支払いは1年後ですが、もともとないものだと思っていたほうが慌てずに対処できるものです。

現在、美容室を本業に、ダンス・スタジオ、塾を展開していますが、すべての信念はひとつです。子どもたち、若者たちに「情熱」「思いやり」「夢見る力」を与えたい。その力が、世の中を生き抜き、才能をも開花させていくと考えています。私自身は中学2年生を対象に出前授業を行っています。専門職である美容というキーワードで話しながらも、社会に出る時に大事なことを伝えるよう心がけています。また、美容室閉店後には毎日、塾に顔を出し、休み時間に子どもたちに話しかけるようにしています。最近は夢のない子が多いですね。ダンスや学習を通じて、自分なりの夢を見つけてほしいとつくづく思います。それと同じで、これから開業を目指す方たちも、独立に向けて目標を定め、そこから逆算して、いま何をするべきかを考え、着実に準備を進めることをお勧めします。